大阪でマンションの1室をフルリノベーションしました。
今回は設計のみで、施工は大学時代の友人の工務店が担当しました。
元々3LDKの間取りを、2つの小さめの個室となるべく大きなLDK(一角にワークスペース)の間取りに変更し、内装はホテルのようなスタイリッシュな空間にしたいということがお客様からの要望でした。
リノベーションに限ったことではないですが、設計を始めるときは、必ず現地を確認します。
それは、専門的な調査を行うためなのは勿論、純粋に住む人の目線になって、「ここに腰かけると気持ちよさそう」といった直感のような部分を見つけることが大切だと考えているからです。
今回、実際に解体前のマンションのの部屋に訪れた時に、部屋の前に広がる池に対して大きく開かれた掃き出し窓が印象的でした。
この窓に面して、ソファとダイニングテーブルを並べた、明るくて開放的な住まいのイメージが浮かびました。
前面の池に向かって設けられた幅約5mの大きな窓
このイメージをもとに設計を進めていったのですが、次にマンションの改修ならではの問題、水回りの位置に悩まされました。
基本的にマンションでは、水回りの配管をコンクリートの床スラブの上で行います。
そのため、配管が通る部分は床を上げなくてはならず、部屋全体を上げるか、水回りの部分のスラブを下げておく必要があります。
全体の床を上げた形式だと、自由に水回りを移動できますが、一部のみスラブを下げた場合では基本的に大きく位置を変更できず、今回は後者のパターンでした。
元々の水回りは部屋の中心に位置し、せっかくの大きな窓の前のスペースが窮屈に感じられました。
そこで、キッチンは思い切って壁付けに変更し、洗面所等は、位置はそのままとしてリビングに影響のない範囲で広げました。
それによって、大きな窓の前にソファとテーブルを並べて配置でき、広く使いたい所は広く、最低限で良いところは小さくといった、メリハリのついた空間に仕上げる事を意識しています。
全てを環境の良い場所に持ってくることは難しいので、お客様の要望を伺い、条件を整理しながら、間取りを丁寧に考えていくことが大切だと考えています。